『ネズラ1964』 -ネズラで始まりネズラで終わった2020年-

 

 先日無事、映画『ネズラ1964』の完成披露上映とクラファン限定配信が行われました。
ネズミ年、2020年1月1日に企画発表をし、一年走り続け、ようやく皆さんにお披露目できたことを大変うれしく思います。

 『ネズラ1964』の企画を考えたのは昨年の半ば頃。
前作『大仏廻国』の追加撮影で内田喜郎さんの撮影をした際、『大怪獣ガメラ』の歴史をあらためて勉強した時のことでした。
『大群獣ネズラ』は以前より知っていましたが、これを機にさらに興味が湧いていったのです。

 2019年の11月ごろ、さっそくKADOKAWAさんに企画を伝えました。
「『大群獣ネズラ』の舞台裏をドキュメンタリー風で描きたい!そして『大群獣ネズラ』を「実現しなかった多くの作品、そこに込められた人々の熱意の象徴」として光を当てたい!」
この言葉にKADOKAWAさんは快く撮影を承諾してくださいました。

 『ネズラ1964』のタイトルは、1999年の庵野秀明監督作品『GAMERA1999』からの引用です。

「『ガメラ3 邪神覚醒』の製作過程と樋口真嗣監督の奮闘を、庵野監督が淡々と撮影する。この監督らがのちに『シン・ゴジラ』を撮る。」
「『大群獣ネズラ』の製作過程と築地米三郎監督の奮闘を、湯浅憲明監督が撮影する。この監督らがのちに『大怪獣ガメラ』を撮る。」
このテーマが、今作の作風に繋がりました。

 企画の本格始動は2019年の年末に始まりました。
出演陣は「ガメラ」に縁のある俳優がメインを飾るべきと判断し、螢雪次朗さん、内田喜郎さん、小野ひまわりさんに声をかけ、出演してくださることになりました。
また12月28日、京都みなみ会館さんでの『宇宙怪獣ガメラ』のイベントにマッハ文朱さんが登壇すると聞き、単身京都に向かい、マッハさんのサイン会時に直接依頼をしました。
今思えば、マッハさんになんて失礼なことをしたのでしょう...

 そして2020年1月1日に企画発表。「ガメラ」のファンも喜んでくださり、開始三日で目標金額を達成しました。
募集が終了することには目標の300パーセントを越え、3,266,000円の製作費で撮影可能になり、ドキュメンタリーの本編以外に、ネズラとミニチュアによる特撮、そして巨大なマンモスネズラを描くことがより現実的になりました。
あらためてご支援に感謝いたします。

 しかし、順調かと思えた2020年初頭、新型コロナウイルスの猛威が襲います。
撮影も延期や中止をかさね、56年前同様、「ネズラ」は完成しないのではないかと悩みました。
映画の軸として考えていた、児童合唱団による「ネズラマーチ」も完成が不可能になってしまい、完成イメージがどんどん崩れていったのです。

 そんな中、出演許諾してくださったマッハ文朱さんが、「ネズラマーチ」を歌ってくれるとのお言葉をいただきました。
これにより、一気に制作イメージがどんどん沸いていきました。

 2020年9月19日、自身の誕生日の日に「生きたネズミ」による撮影が三日間行われました。さすがに当時の様に数百匹のドブネズミは集められませんでしたが、ブリーダーさんからファンシーラット(ドブネズミをペット用に品種改良したもの)を21匹お借りし、当時を再現したミニチュアの上で撮影しました。
築地監督の手記にあったように、本当にネズミたちは思い通りに動いてはもらえず、かなり苦労しました。
しかし、ネズミたちも慣れはじめ、怪獣らしい良い動きをしてくれるようになっていきました。

 2020年10月4日、紆余曲折ありましたが、無事クランクアップ。
「ネズラマーチ」も完成し、さらに大映映画にも縁のある渡辺宙明さんから、提供曲「大群獣ネズラ」を作曲していただき、串田アキラさんが歌われました。

 そして、2020年12月19日、池袋HUMAXシネマズさんの劇場で完成披露上映が行われました。
僕は緊張に耐えられず、シアターでは鑑賞できませんでしたが、映写室から覗いていました。

上映終了後、皆さんから多くのお褒めのお言葉をいただき、嬉しさの反面、ものすごく安心しました。
観客の皆さんに挨拶しているさなか、一人の女性が声をかけてくれました。

築地まりさん。『大群獣ネズラ』の築地米三郎監督のお孫さんにあたるお方です。
「お疲れ様でした。とっても良かったです。生きていたら米三郎にも見せたかったです。」
この言葉を聞き、本当にこの作品を企画して良かったと心の底から思いました。

 

2020年、ネズラに始まり、ネズラで終わった一年でした。


主演の螢雪次朗さん、永田社長を完璧に演じていただきありがとうございました!
築地監督役の菊沢将憲さん、ビル壊しは最大の見せ場になりました!
湯浅監督役の米山冬馬くん、いつもありがとう。
小野ひまわりさん、姿美千子役をフレッシュに演じていただきありがとうございました!
斉藤麻衣さん、叶順子さんを再現した姿に、美しくすぎて衝撃を覚えました!
大迫一平さん、『大仏廻国』に続けて出演いただきありがとうございました!
内田喜郎さん、『大怪獣ガメラ』の俊夫が時を越えて「ネズラ」にも登場!感慨深いです!
佐藤昇さん、まさかジュラルの魔王様に出ていただけるとは!ありがとうございました!
大橋明さん、マンモスネズラとにかくカッコ良かったです!!!
佐野史郎さん、お忙しい中、合間をぬっての撮影ありがとうございました!
古谷敏さん、お帽子とタバコを持つ古谷さん、新鮮でクールでした!
ノーマン・イングランドさん、桐山和久くん、田中克憲さん、原英博さん、藤山遼太郎さん、阿部能丸さん、朗読シーン素晴らしかったです!
青木ラブさん、築地監督の妻という難しい役どころをありがとうございました!
安田崇さん、ゆうま君、いつも何から何までありがとうございます!
素晴らしい特撮シーンを実現してくれた根津宙介特技監督はじめ特撮班の皆さんに感謝します!
浅井拓馬くん、karinちゃん、マンモスネズラの造形ありがとう!!
黒澤津勝大さん、ネズラのぬいぐるみを作ってくださりありがとうございました!
石井那王貴さんと特殊映画研究室の皆さん、完成度の高いミニチュアを作っていただきありがとうございました!
ヘアメイクの坂井舞さん、俳優の皆さんの魅力をより引き立てていただきありがとうございます!
題字担当のさくらさん、「大魔神」を意識したクレジットロールの「書」最高でした!
マンモスネズラのデザインを担当した米山啓介さん、大映特撮怪獣を思わせながら、新しい怪獣像をありがとうございました!
海外広報のエイブリー・ゲーラさん、海外のファンの皆さんへの発信、いつもありがとうございます!
音楽担当の今堀拓也さん、「ネズラマーチ」は永久に不滅です!
音楽プロデューサーの西耕一さん、オーケストラ・トリプティークの皆さん、ヒーローコーラスの皆さん、最高な音楽をありがとうございました!
提供曲『大群獣ネズラ』作曲の渡辺宙明先生、編曲の大石憲一郎さん、作詞の田野倉健之さん、歌唱の串田アキラさん、カッコイイ曲をありがとうございます!
池袋HUMAXシネマズさん、完成披露上映の実現ありがとうございました!一般公開時も宜しくお願い致します!
KADOKAWAさん、『ネズラ1964』の企画協力、本当にありがとうございました!

そして、クラウドファンディングの支援者の皆様、協力してくださった方々にあらためて感謝いたします。
本当にありがとうございました。

映画『ネズラ1964』2021年1月中旬、池袋HUMAXシネマズにて一般公開決定!

 


『ネズラ1964』監督
横川寛人

 

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